福岡県黒木町と熊本県鹿北町の県境に位置する標高450メートルほどの釘山の頂にある「いりえ茶園」。35年前から、この地で完全無農薬栽培のお茶を作り続けています。農薬を一切使わず、丁寧に草を刈っています。大事に育てられているお茶たちは、いりえ茶園一人一人の愛情と美しい空気と自然の中で、のびのびすくすくと育っています。畑には、てんとう虫やミミズ、蝶々など沢山の生き物が生活しています。お茶を飲む人々の心をつかんで止まないのは、自然の生き物たちと共に愛情たっぷりで育てられている所以です。
私が全国各地で、求職しながらさまよっていた20歳過ぎたばかりの頃、胆石を患い、入院していた私に隣のベッドの老人から差し出された1杯のお茶が、心身ともに染み入る美味しさでした。そのお茶が、私の故郷、福岡の八女茶であると聞き、「故郷に帰って、お茶をつくろう。」と決心しました。
早速、お茶づくりの修行をはじめ、27歳の時、念願のお茶の木を植えました。その当時、無農薬や有機栽培が周囲の農家たちに理解されなかったので、山頂の斜面がきつい悪条件下での始まりでした。有機栽培は土が命なので、忍耐強く土作りに5年を費やし、またさらに5年以上をかけて、「これだ!」というお茶を作り上げました。しかし、長い歳月をかけてやっと完成させたお茶がさっぱり売れません。そこで、自分の足で歩いて辛抱強く回り続けました。
少しずつお客さんが増え、またお客さんがお客さんをよび、固定客も増えてきました。自ら売り歩くこと12年、本当に長い道のりでした。
「美味しかったよ。」と多くのお客様から喜んで頂けることに心から感謝し、安全で美味しいお茶を作り続けていきます。自分が丹精こめて作ったお茶を安心してきもちよく飲んでもらえる、そして、喜んでもらえることがわたしの最高の喜びです。
(有)いりえ茶園 園主 入江俊郎

いりえ茶園は、土づくりにこだわっています。
大地にはえる草の果実を昆虫や動物などが食べて、それを他の動物や人間が食べます。人や動物は、土に返り、バクテリアなどの地中微生物によって分解され、植物に取り込まれる、というように、土は食物連鎖の鍵になっています。
土の中の微生物もさまざまな種類のものがあり、助け合って共生するものもあれば、敵対するものも在り、それでバランスが保たれているのです。良い土は、弾力があり、香りが良く、甘い香りがします。また、土が健全であると微量要素(ミネラル)の含有量もビタミンの含有量も高くなり、病害虫発生もなくなってきます。土の健康はそのまま作物の健康であり、ひいては私たちの健康であるといえます。この自然の土にこだわり、この土でいりえ茶園のお茶は育っています。

本物の健康野菜が、もともと虫などを寄せ付けないのは、 フィトンチッドといわれる物質が発生するからです。これは、 病害や病菌を寄せ付けない一種の免疫抗体で、においを失うと虫食いだらけの葉になってしまいます。 トマト・ニンジン・茶の特有なにおいは、伊達につけているものではありません。 しかし、最近ではそのようなにおいがしない野菜が増えてきました。それはなぜでしょう。 一番の理由は、土の健康が崩れ、作物の栄養バランスが崩れたためです。特に、 鉄・亜鉛・銅・ホウ素・モリブデン・セレンなどの不足が大きいのです。 良い土ほど、これらをより多く貯え、バランスを保っています。私たちは土の健康を考え、 その土からの恵みとなる作物をとることが健康を保つコツと考えています。


- 3月
- 新茶前の剪定
- 新芽の高さが揃う様にほんのチョット切ります。
- 4月
- 新茶
- 4月下旬から5月上旬にかけて新茶の摘採です。一年で最も楽しく、最も過酷な日々が続きます。
- 5月
- 肥料・剪定
- 新茶摘採後に肥料をあげます。お礼肥とも言います。通常ここで2番茶の前の剪定を行いますが、いりえ茶園では良質な1番茶を収穫する為に、ざっくり切り落とし、落とした葉っぱを肥料にします。
- 6月
- 心労
- 作業はほとんど梅雨で出来ませんが、水害が毎日心配です。
- 7月
- 裾刈り
- 茶畑の中を動きやすい様に裾刈りという作業を行います。草も沢山生えてくるので大変です。
- 8月
- 企業研修・肥料
- 毎年お盆過ぎくらいに企業研修を行います。ここで、 夏の肥料や草むしりを頑張ります。
- 11月
- 剪定・肥料・畑補修
- 本年最後の剪定をします。秋の肥料をあげたり、梅雨やイノシシなどで壊れた畑を修理します。
- 12月
- 冬肥料
- お茶が無事に冬を越せるように肥料 ( ご飯 ) をあげます。 液体の肥料も使うのでとても寒いです。
皆様に安心安全、無農薬の美味しいお茶をご提供できますよう、スタッフ一丸となって励んでまいります!! どうぞ宜しくお願い致します。
